【国境を超えた理解】看護学生が海外研修で学んだこと

2020年6月24日学生団体,留学

こんにちは!
今回は、看護学生におすすめのインタビューです。

慶應義塾大学 看護医療学部4年の 宮澤直子さんに、大学生で経験した看護研修について取材しました。

海外でのさまざまな福祉活動・看護研修を通して、どのようなことを感じたのか、看護学生が大学生のうちにしておいたほうがいいことなど、お話していただきました。 看護学部の学生はもちろん、海外での福祉活動に興味がある学生も必見です。

慶應義塾大学4年 宮澤直子さん
静岡県出身 家族をサポートする看護師に魅力を感じ、看護医療学部に進学する。

海外の看護・福祉に触れたオーストラリアでの経験

ーーオーストラリアでの経験について教えてください。

宮澤:はい。大学1年生の春休みの1か月間、オーストラリアへ行って、看護や福祉に関わるいろいろなことを経験しました。 滞在中は、オーストラリアに住んでいる母の友人にお世話になりました。現地では、 オーストラリアで免許を取って看護師をしている方の話を聞いたり、病院を見せてもらったりしました。

また、母の友人は社会福祉の仕事をしており、イベントを運営していました。そのイベントを手伝ったり、がん基金のボランティアにも参加しました。

ーー貴重な経験ですね。オーストラリアへいくことに、不安はなかったのですか?

宮澤:不安はあったのですが、高校時代も1か月だけニュージーランドに留学していたこともあり、「とりあえず行ってみよう!」と思い、出発しました。

ーー日本との違いで、なにか印象的だったことはありましたか?

宮澤:日本と違い、オーストラリアはいろんな民族の国で、ルーツも様々です。日本では日本人の看護師がほとんどですが、オーストラリアは違いました。民族的な違いの難しさも、肌で感じましたね。

あとは、オーストラリアで手伝ったイベントのコンセプトが「障がい者も健常者も同じフィールドで」というもので、障がいに対する日本と海外の考え方の違いも感じました。

ーーそうなんですね。具体的にどんな違いがありましたか?

宮澤:日本では、「障がい者は障がい者として活躍する」という雰囲気がまだまだ強いと感じますが、オーストラリアでは、健常者と同じフィールドで活躍する、ということを大切にしていました。感銘を受けましたね。

ーー日本に帰国した後、なにか行動に移したことはありましたか?

宮澤:オーストラリアで、日本の障がいのことを聞かれてもあまり答えられなかったので、日本についての理解が足りていなかったなと反省しました。障がい児支援のNPOに参加したり、インターンに行って、日本の障がいについてもっと勉強しました。

オーストラリアでの宮澤さん

インドネシア、そしてイギリスでの看護研修

宮澤:大学2年の春、3年の春と、インドネシアに2回足を運びました。所属していた国際協力隊の活動の一環です。1年間の準備期間を経て、現地で3週間活動しました。

ーー活動内容はどんなものですか?

宮澤:主に、ストリートチルドレンやセックスワーカーを対象とした教育活動です。 性感染症や、基本的な知識の提供を行います。 セックスワーカーとのかかわりを通して、宗教と貧困のジレンマや、価値観の違いを肌で痛感しました。私たちにはわからない感情などを抱えているのだなと、考えさせられました。

インドネシアでのボランティア活動
宗教観や貧困の問題と向き合った、インドネシアでの教育活動

ーー最後に、イギリスでの研修プログラムについて教えていただけますか?

宮澤:イギリスには、慶應の看護学部の研修プログラムで行きました。イギリスと日本の保険制度の違いや、ケアの違いを実践的に学びました。イギリスには、NHS(国民健康保険)というイギリス政府が運営する国民保険サービスがあります。医療は原則無料で提供されていて、そこが日本との大きな違いでした。

ーー特に印象に残っていることはありますか?

宮澤:イギリスの老人ホームの様子です。日本と違い、それぞれの部屋から大きな庭に出て散歩ができます。部屋の表札には家族との思い出の写真が飾られています。スタッフの方は、利用者が入居する前に、ティーカップに砂糖をいくつ入れるかまで聞くとおっしゃっていました。それだけ一人ひとりが尊重されて暮らせる施設に感動しました。

ーーひとりひとりが尊重される老人ホームですね。自分の家族にもそういうケアをしてあげたいと思えるような、素敵な施設ですね。

国内を出て、海外での経験から学んだこと

ーー宮澤さんは、来年大学を卒業されますが、卒業後はどんなことを頑張りたいですか?

宮澤:卒業後は大学病院に就職します。まずは、医療職として一人前になるために、自分のスキルや知識を磨きたいです。 海外に行ってより感じたのは、看護師の資格を持っていたとしても、知識や技術がないと使えないということ。英語も、日常会話はできても、専門用語まで使いこなすのは難しいです。 なので、まず看護師としての経験を積んでから、今後のキャリアを考えていきたいと思っています。

ーー大学での経験は、今後の看護師人生にどのように影響すると思いますか?

宮澤:看護の勉強や海外での経験を通して、人体のことや、コミュニケーションのこと、倫理的なことも幅広く触れることができました。 今後様々な背景を持つ方を支援し、寄り添う立場になるものとして、とても貴重な経験だったと思います。

ーー最後に、看護学生が大学生のうちに意識したほうがいいと思うことを教えてください。

宮澤:看護の領域にとらわれず、いろいろな人と触れ合うことです。 私の通う慶應の看護学部は、海外研修など充実しているので、海外に行く機会を得やすい環境でした。しかし、どの大学でもそのような機会が充実してるとは限りません。 看護師は人に向き合う仕事であるため、学生のうちに色々な人と向き合う機会を作り、さまざまな価値観に触れることが大切だと思います。大学生は時間がありますし、医療従事者になる前の柔軟な状態でもあります。そんな大学生のうちに、日本や海外の興味がある分野や場所を自分の目で見に行く機会を作っていくことが大切だと思います。

ーー普段看護学部の方と話すことはあまりないので、勉強になることばかりでした。本日はありがとうござました。

2020年6月24日学生団体,留学

編集担当者 青山裕香